インターネットを利用する上で「IPアドレス」という言葉はよく耳にすると思います。IPアドレスというのはネットワークにつながっているさまざまな機器を区別するためのアドレス、その名の通り、住所みたいなものと考えるとわかりやすいと思います。
ハガキを送る時には送り先の郵便番号、都道府県、市町村、番地などを記載します。では、ネットワーク上の送り先を指定するためのIPアドレスとはどんなものなのでしょうか。確認してみましょう。
Windows7を例に説明していきます。画面左下にあるWindowsマークから
[すべてのプログラム]→[アクセサリ]→[コマンド プロンプト]
と辿ります。
すると黒い画面がでてくるはずです。
この画面で
と入力し、Enterキーを押してください。
すると何かパラパラと文字が表示されます。
その中の「IPv4 アドレス」の横に書かれているピリオドを区切りとする4つの数字がありますね。それがIPアドレスになります。(下の例ですと、192.168.1.7がIPアドレスです。)
また、別の確認方法もあります。
アクセスすると自分のIPアドレスを表示してくれる便利なサイトがあります。
たとえば、
にアクセスしてみてください。
「あなたの利用しているIPアドレス」と題して、デカデカとIPアドレスが表示されていると思います。
ん?ここでおかしいと思われた方がいるかもしれません。
そうです、ipconfigで確認したアドレスと、サイトで確認したアドレスは違っている場合があります。(同じ人もいます。)
実はこの違いに、ネットワーク技術のうまい仕組みの一端が垣間見えています。
ipconfigで確認したアドレスを「プライベートIPアドレス」といい、サイトにアクセスし確認したアドレスを「グローバルIPアドレス」といいます。
プライベートIPアドレスとグローバルIPアドレス
IPアドレスの4つの数字の一つ一つは0~255までの数字のいずれかになります。
(255を中途半端な数字と思われるかもしれませんが、コンピュータの世界では、意味のある数値となります。255を2進数で表記すると11111111となるからです。0か1かの情報[ビット]が8個集まると情報量を示す単位1バイトとなります。つまり255というのは、1バイトのうちすべてのビットが1、という意味のある値なのです。ちなみにIPアドレスの情報量は4バイトということになります。)
つまり、0.0.0.0~255.255.255.255まで、4294967296通りのアドレスが示せるということになります。約43億個です。では、これで世の中のすべての機器にアドレスを割り当てられるでしょうか。答えはNoです。世界にどれだけの世帯があって、その世帯にどれだけの機器が存在するか、、、と考えただけで足りないのは明白です。
ここで頭のいい人がアドレスをプライベートなものとグローバルな(外に見せる)ものに分けることを考え出しました。
世界に一つしかないグローバルIPアドレスで世帯を特定し、プライベートIPアドレスで世帯内の機器を特定するという方式です。プライベートIPアドレスは世帯内でしか使用しないので、ある世帯と別の世帯でプライベートIPアドレスが同じ機器が存在しても問題はありません。これにより世帯内のすべての機器に世界唯一のアドレスを割り当てる必要がなく、アドレスの節約になるわけです。
ところで、先のIPアドレス確認で
にアクセスしたときに表示されたアドレスはプライベート?グローバル?
そう、外(グローバル)にアクセスしたわけなので、相手には自分のグローバルIPアドレスしか見えません。
逆にipconfigには機器に割り当てられている実際のIPアドレス、つまりプライベートIPアドレスが表示されます。(家でネットワーク機器を一台しか使用しないのであれば、グローバルIPアドレスを直接機器に割り当てても構いません)
あれ?相手にはグローバルIPアドレスしか見えてないということなら、個々の機器へのデータ配送はどのようにしているのでしょうか。例えばBさん宅のパソコンからAさん宅のパソコンBへデータを送るような場合です。
その答えを担うのが、ルータという機器になります。
では、次はルータについて説明しましょう。>>ルータって何?